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2008.05.26
愛するということ
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悪い兆候と云える。あの巨大・複雑・無機質な公共交通装置に如かなかった東京駅を、何処ぞの公園に等しい乱暴な扱いで`破壊`し`再構築`したらば最後、私の目には東京駅は愚か、東京に満遍無く拡がる私とは無縁の筈だった空間の全てが咄嗟に眼前に肉迫し始めたのである。今迄、余りに私は規範的意識で舗道を歩いていたし、電車に乗っていた・・・昨夜は過激な行動で、二度程警察官と対峙していた当会――もう貴会とは呼ばぬ――最初は口頭註意で済んだモノの、全く引き下がらずに遊んでいたらばとうとう先方も解散命令を当方に突きつけてきた。何、夜の10時に警察の目の前でドロケイをしていた我々の何が悪かったんだろう。警察当局である彼らがコチラを怖れた所以は、当方が公共福祉を脅かしていたゆえと云うよか、当方のスタンスそのものが気に喰わなかったゆえと見えた。気持ちは分かる。高校時代、私がこの上なく不幸な面持ちで朝の登校時の坂道を上がっていたらば、何が可笑しいのか、たった一人満面の笑みを浮かべて坂道を下っていく徒歩の会社員がいた。殺したいと思ったことは何度もあるけれど、彼に羨望の念を抱いたことはその実、私に幾度も覚えがある。図らずも、このかくれんぼ同窓会、あの会社員を思い出させる。その顔に厭味と云う奴は全く無く、寧ろ純粋過ぎて素晴しい。私にはこの集団を評価する権利なんて如何許りもありはしないけれど、かねてから存在してくれればと好いのにと願っていたモノが何ら私との約束を違えずして此処、余りに常識的世界に現存してくれているのである。入会式の際、先輩諸氏により紙芝居によって恋愛禁止主義・実名秘匿主義が説かれた。犯した者は即除籍。そして当会会員を証明する陳腐なバッヂが配られる。これらは然ながら小学生がやたら真剣な口調で秘密基地にて仲間同士と契る、あの十戒のやうである。これだけでも私は存分に満足を得た。私は感謝の意を示しに、明後日、此処の本基地に宝箱を寄付してやろうと思ってゐる。・・・まだ此処の駄目な処を見てない限り、私が当会に入ったとは言い切れぬ。それに、私は集団に属すのは如何なる形であれ自分に認められない。あぁ愛そうか愛さまいか、でもこんなに阿呆なのが私は大好きで仕様がないのである。厭味を撒き散らしている。害悪を撒き散らしている。でも其処に悪気が微塵も感じられない。当会の気に喰わぬ処は幸い一つ二つあった。早慶戦みたいな俗物観覧に行く輩がいたのは少し残念であるし、移動中私の目を腐らせるまでに強かな馴れ合いを始めた新入生も極めて遺憾である。これは気に喰わぬモノとして確りと憶えておこう。でも本質的な処は一体全体私と一致する。あぁなんだろうコレ。夢でもかくれんぼをしていた私である。畜生。実に往生際が悪い、実に往生際が悪い。
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